派遣社員が雇用保険に加入するための条件とは?失業給付金はもらえるの?
雇用保険は、正社員だけではなく、派遣社員やアルバイトも条件を満たすと加入することが義務付けられています。
しかし「どのような条件を満たせば加入するのかわからない」という声も少なからず聞かれます。
そこで本記事では、派遣社員が雇用保険に加入する際に必要な条件を丁寧に解説していきます。

■そもそも雇用保険とは
雇用保険は、国が行う社会保険制度の1つであり、労働者が失業した場合などに必要な給付を行い、労働者の生活や雇用の安定を図るとともに、再就職の援助を行うことを目的とした機能を持つ制度です。
■派遣社員が雇用保険に加入する際の条件
雇用保険は正社員だけが加入するものではありません。
条件を満たせば派遣社員やアルバイトでも加入が義務付けられます。
「週の所定労働時間が20時間以上」
かつ
「31日以上の雇用が継続される予定であること」
が条件です。
例えば、1日4時間・週5日働き、1ヵ月以上の契約期間があれば加入できます。
アルバイトやパートも同じ条件です。
■加入するだけではダメ!?失業給付金を受け取る条件とは
ここからは【給付金を受け取るための条件】を紹介します。
加入するときの条件とは異なるため、注意が必要です。
①雇用保険への加入
1つ目は、前述したように雇用保険への加入が必須です。
加入条件を満たしているか、勤務先の担当者に確認してみましょう。
②働こうという意思が見られる(求職中である)こと
2つ目は〔就職しようとする意思があり仕事を探しているにも関わらず、仕事に就いていないこと〕が挙げられます。
意思の確認は公共職業安定所(ハローワーク)で行います。
③加入していた期間
3つ目は雇用保険の加入期間です。
〔離職日以前の直近2年間で、雇用保険に加入していた期間が合わせて1年以上であること〕です。
給付日数は年齢・加入期間・離職理由によって決まりますが、90日~360日のいずれかです。
しかし、派遣社員の場合は「契約満了で次の仕事の斡旋を希望していたにも関わらず、契約更新がされない」こともあります。
そのようなケースでは【特定理由離職者】と判断され、一般的な労働者とは条件が異なり〔離職日以前の1年間に通算6ヵ月加入していること〕と緩和されます。
■派遣だとどれくらいの給付金がもらえる?
受け取れる給付金の金額は、退職前に受け取っていた給与によって変わります。
普通は離職日以前の6ヵ月の賃金をもとに計算されますが、派遣の場合は給与の額が月によって極端に上下する方が多く、計算が難しいことも少なくありません。
そのため公共職業安定所(ハローワーク)の説明をしっかり聞いておくことが大切です。
■失業給付金はいつからもらえる?
給付金は失業してすぐにもらえるものではありません。
公共職業安定所(ハローワーク)で受給手続きをした場合に給付が開始されます。
離職の理由によっては受給の開始日が異なるため、注意が必要です。
会社都合の場合
たとえば派遣社員が〔契約満了で次の仕事の斡旋を希望していたにも関わらず、契約更新がされないことで失業してしまった〕場合は【特定理由離職者】と判断されるため、会社都合による離職になります。
会社の倒産やリストラも同様に会社都合となります。
給付開始は、離職票の提出と求職の申し込みを行った日から通算して7日後からになります。
自己都合の場合
自己都合では離職理由は特に問われません。
ただし、申し込みを行った日から通算して7日間、さらに2ヵ月間経てから給付が開始されることを覚えておいてください。
■まとめ
雇用保険は正社員だけでなく、条件を満たせば派遣社員でもアルバイトでも加入する義務があります。
ただし、加入しているだけでは給付金はもらえません。
離職後、求職中であることや、定められた期間の加入が条件になります。
失業給付金を受給したい場合は、自分が給付条件に当てはまっているかどうか離職前にしっかり確認することが大切です。