雇用安定措置とは?課される措置の内容と派遣労働者が注意すべき点 | 『 派遣 』 のこと | リバティーのお役立ち通信

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雇用安定措置とは?課される措置の内容と派遣労働者が注意すべき点

雇用安定措置は派遣元に対して課される措置であり、派遣社員が上限とされる3年間を超えても働くことを希望する場合に、派遣元がこの措置を講じる義務が生じます。
派遣社員として働く方にとって重要な内容であるため、この措置の内容についてしっかり理解しておきたいですよね。
雇用安定措置の特徴や内容についてふれ、注意点を解説していくので、ぜひ参考にしてください。

■雇用安定措置とは

雇用安定措置とは「同じ組織に継続して3年間派遣される見込みのある方に対し、派遣元が契約終了後の雇用を継続させる措置のこと」をいいます。
つまり、派遣社員が3年以上同じ職場で働きたいにも関わらず、法律上契約が打ち切られてしまうため、派遣元側が何らかの支援を行わなければならないということです。

上記が決定された背景には、平成27年の派遣労働法の改正で「派遣労働者が同じ職場で働けるのは3年まで」という規則が設けられたことが関わっています。

また、1年~3年未満の派遣労働者には努力義務という形で措置をとります。
あくまで努力義務なので、会社によって待遇が異なることを把握しておいてください。

■派遣元が行うべき4種類の措置とは?

派遣元が3年以上働く見込みがある派遣社員に行うべき措置には4種類あります。

1.派遣先企業へ直接雇用を依頼する
2.新たな派遣先を提供する
3.自社で派遣労働者以外での無期雇用を行う
4.キャリアアップを図るための教育訓練・紹介予定派遣などを行う


4つの措置のどれを選ぶかは、基本的に派遣社員に決定権があります。
ただし一般的には派遣会社が派遣先企業への直接雇用の依頼を行い、依頼が断られると、2.~4.のいずれかの措置をとるケースが多いようです。

では、以上4つの詳しい内容について解説していきます。

●派遣先企業へ直接雇用を依頼する

派遣会社は、派遣先企業へ直接雇用の依頼をします。

しかし、あくまで会社に義務付けられているのは「依頼をすること」であるため、確実に雇われるとは限りません。
さらに企業が派遣元の依頼を受けなければならない規則はないので、その点は覚えておきましょう。

●新たな派遣先を見つける

現在の派遣先企業での直接雇用ができない場合、派遣会社は新な派遣先を見つけます。
ただし、新たな派遣先を提供する場合は、合理的な職場でなくてはなりません。
ここでいう合理的とは、以前働いていた勤務先との待遇を照らし合わせた結果、社員の居住地・経験・賃金などの待遇が著しく下がるケースはあってはならないといえます。
しかし、前と同じような労働条件である職場を紹介する決まりはないため、社員の希望が通らない場合も少なくありません。

●自社で派遣労働者以外での無期雇用をする

派遣会社が、自社の「正社員」として雇うのが一般的です。
あくまで「派遣労働者以外」という条件付きであるため、無期雇用の派遣社員になることはありません。

●キャリアアップを図るための教育訓練・紹介予定派遣などを行う

教育訓練や紹介予定派遣の実施は、派遣社員のキャリアアップには有効な手段であるといえます。

ただし、派遣会社としては自社の人材を手放すことに繋がるため、取り組みの姿勢に関してはそれぞれの会社で異なるといえるでしょう。

■雇用安定措置の対象外となる方もいる

雇用安定措置の対象外となる方の条件に、以下のいずれかを満たす必要があります。

・派遣元で「無期雇用」されている
・60歳以上である


無期雇用派遣社員の場合でも、働いている間に派遣先企業との間に合意があれば直接雇用もあり得るでしょう。
ただし、無期雇用で派遣元と契約をしている場合、無断で派遣先企業と直接契約をするのはトラブルの種になりかねないため、注意しましょう。

■まとめ

派遣社員は、基本的に3年までしか同じ職場で働けません。

3年で契約が満了すると、改めて仕事を探すという負担がのしかかります。
そんな負担を少しでも軽減するのが雇用安定措置です。

「派遣先へ直接雇用を依頼する」「新しい派遣先を探す」など、社員の雇用確保のために、派遣会社は何らかの支援をする義務があるのです。